
17.「相続税の基礎控除と養子」
~制限があります~ <勝手な感想 相続税>
相続税の総額を計算する過程で、相続又は遺贈により財産を取得したすべての者の相続税の課税価格の合計額から「遺産にかかる基礎控除額」を差し引きます。
この基礎控除額は現在のところ、
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
と規定されていて、この法定相続人には養子も含みます。養子が成立すると養親との血族関係が発生する(法定血族といいます)ので実子(自然血族)と同様の扱いになるのです。
すると、養子縁組をどんどん成立させれば法定相続人の数を増やせるので、基礎控除額も増やせることになります。その結果、相続税を計算する基礎部分が減っていくので相続税額も減っていくことになります。
ところが、ここには制限があります。
①「被相続人に実子がある場合」、もしくは「実子がなく養子が一人である場合」には養子として計算に入れてよい数が一人と制限され、②「実子がなく、養子が二人以上である場合」には養子として計算に入れてよい数が二人と制限されています。
無制限に認めると相続税の負担を回避できてしまうため、一定の数に制限しているのです。
ですが、実子があっても養子一人までであれば数の計算に入れてよいのですから、養子が可能な場合、一人分の基礎控除額を増やすことができることになります。例えば実子の配偶者と養子縁組をする、といったケースがイメージしやすいかもしれません。
ただ実際、この基礎控除の増額を狙っての養子縁組はどのくらいあるのでしょうかね。。。
