57.「法律による対象の違い」

~民法と相続税法~ <気になる話題 相続税>

当然といえば当然なのですが、同じような内容に聞こえるものでも法律によりその対象が違います。法律の趣旨、目的が違うからです。

以前のブログでも書きましたが、同じ「法定相続人」というコトバでも民法上の意味内容や一般的に使われる内容と、相続税法の内容とは違っていたりします。

先日、相続税に加算される贈与の話を書きました。相続開始前3年以内の贈与財産を相続税の課税財産に加算するという話です。

この加算は相続税法上のものなので、民法では別の扱いが定められています。相続開始前3年以上前のものであっても民法で扱う相続財産については全て加算するとされているのです(特別受益)。しかもその加算する金額は相続時の価額とされています。先の相続税法上の加算だと、贈与時点の価額となっているので、贈与後にその財産の価額が値上がりしていると、民法上の加算額が大きく膨らむことになるのです。このことは、民法に規定されている遺留分の計算に影響することになります。

また、相続税の話ではあるものの、一部民法が取り込まれてくる場合もあります。相続税の申告期限までに遺産が分割されていない場合(未分割の場合)です。

この場合は民法の規定に従って民法上の法定相続分で遺産を相続したものとしていったん相続税を計算するのですが、ここで計算の基礎となる遺産総額には相続開始前3年以内に限定されないすべての贈与財産(特別受益)を取り込むこととなっています(その上で、特別受益額は差し引くのですが、、、)。つまり、未分割の場合には計算過程に民法の規定が一部取り込まれてきます。

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