45.「相続税はいくら?」

~相続税計算の流れ(再び)~ <気になる話題 相続税>

○○万円の土地と建物、○○万円の預貯金、ありますが、相続税はざっくりいくらですか?ときかれた場合、法定相続人の数をお尋ねして基礎控除額以下であれば、相続税はかからないでしょう、とお答えできますが、基礎控除額を超える場合には答え方が難しくなります。

相続税の計算に特徴があるためです。

以前も書きましたが、もう一度大まかな流れを書いてみます。

まず、被相続人の相続財産を確定し、評価します。この時、遺贈(遺言で贈与した財産)や受け取った生命保険金も計上します。相続時精算課税という贈与の特例計算をしていた場合には、過去の該当財産(相続時精算課税適用財産)も全額計上します。この評価の段階で、居住用不動産などで特例要件に該当する土地があれば減額(80%~50%off )(小規模宅地等の特例)し、葬式費用や債務負担があれば控除します。

次に、相続開始前3年以内に贈与していた財産については相続税の基礎に入れることになっていますので加算します(生前贈与加算)。

ここまででいわゆる課税価格が算出されることになります。この段階の金額が、皆さんの思い描いている相続財産(額)と大きく違っていることも少なくありません。

この課税価格から「遺産に係る基礎控除額」というものを差し引きます。

この基礎控除ですが、現在は5,000万円+1,000万円 × 法定相続人の数 ですが、H27年1月1日以後の相続からは 3,000万円+600万円 × 法定相続人の数 になります。

ここからひと手間かかります。

まず、この基礎控除額を差し引いた残額に法定相続分をかけることにより、各法定相続人の法定相続分に応じた各人の取得金額を出します。そしてその金額に応じた税率を乗じて出た各人の相続税額の合計額が相続税の総額になります。さらにその総額を各相続人の課税価格に応じて案分することにより、それぞれの「算出税額」が出ることになります。(また、その算出税額が出た後に、たなぼた的に相続財産を取得したとみなされた人には20%加算がされたりします。)

ようやく、ここから各相続人の納付税額計算に入ります。

先の生前贈与加算された財産につき、贈与税を納付していた場合には差し引きます。

また、配偶者は優遇されていますので、1億6000万円までもしくは、法定相続分までの金額であれば全額控除されます(配偶者の税額軽減)。

他にも未成年者控除・障がい者控除、相次相続控除・外国税額控除などの控除額を控除して、最終の納付税額が出ることになります。

このように、相続財産の評価を出発点として、法定相続人という基準で相続税総額を出し、その後、各相続人に割り振って具体的な納付税額を決めるという手順になります。

相続税はいくらですか?と問われたとき、相続税の総額を意味しているなら、法定相続分で計算した総額が答えとなりますが、実際に相続する段階での納付額を意味しているとなると、具体的に誰がいくら相続するかによって異なることになるのです。

いずれにしろ、何よりまず相続財産の評価が重要です。現段階で、相続財産になるものは何なのか、法定相続人は何人なのか、等を確認しておく意味は大きいです。

溝端会計事務所は相続税試算も承っています。

お問い合わせお待ちしております。

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