41.「遺産分割されずに申告期限が…」

~持戻し~ <気になる話題 相続税>

遺産分割の協議がまとまらないままに相続税の申告期限がきてしまった場合どうなるのでしょうか?

この場合、法定相続分に従って相続されたものとしていったん申告することになります。

このとき、「持戻し」という制度があります。

相続人のうちの一人が相続開始前に財産をもらっていた(生前贈与)場合(その人を特別受益者といいます)、その財産が(未分割)遺産に残っていたものと考えて計算の基礎に入れたうえで法定相続分に従って各人の相続分を計算します。

例えば、相続開始時に1,200万円の遺産があり、配偶者1/2、子供A1/4、子供B1/4で分けようという場合、通常なら配偶者が600万円、Aが300万円、Bが300万円となります。

ところがAが生前贈与として300万円もらっていた場合、この300万円を遺産に「持戻し」て1,500万円の遺産であったと考え、配偶者750万円、A375万円、B375万円と分けた上で、Aは既にもらっている300万円を差し引いた75万円(375万円-300万円)が具体的相続分と考えるのです。

共同相続人間の公平、というのが趣旨です。

この「持戻し」の対象となる財産の期間制限について、は生前贈与加算(31.「3年以内の贈与の加算」)と異なり、判明している財産すべてが対象となっていたり、相続開始当時に滅失してしまっていても原状のまま(受贈当時のまま)であるものとして加算することになったり(滅失が不可抗力の場合は除きます)と、相続人にとってあまり有利ではない処理がなされることになっています。

他にも、遺産が未分割のまま相続税の申告期限をむかえると相続税計算において有利な規定の適用が受けられないことが多いです。例えば、80%の評価減ができる小規模宅地の特例も未分割だと適用できません。

相続税計算を一回で済ませ、かつ有利な税額計算をするためにも遺産分割協議は申告期限までにまとめたいもです。

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