31.「3年以内の贈与の加算」

~生前贈与加算~ <気になる話題 相続税>

前回前々回(29.30.)で受け取った生命保険金がみなし相続財産として課税対象にされるとともに、一定額の非課税が定められているという話を書きました。

 もう一つ、よく話題になる加算項目として「生前贈与加算」というものがあります。

 これは相続開始前3年以内の贈与(暦年贈与)の金額を相続税の課税財産にプラスして相続税を計算するというものです。相続を見越して直前に大きな贈与をしていた場合でもその財産額を相続税計算の基礎に入れてくださいという規定です。

 そもそも暦年贈与は年間110万円までは非課税の枠があるので、毎年110万円以内の価額の財産をもらっていても贈与税はかかりません。逆に言うと、110万円を超えたら贈与税が発生することになります。

 ここで、先の「生前贈与加算」があった場合で、その3年間に贈与税を納めていた分はどうなるのですか?とよく聞かれます。

 この贈与税額は相続税額から控除できます!

相続税の補完的な税目として贈与税が位置付けられているので、本体的な相続税で課税する以上、補完的な贈与税までかけるのは二重課税になってしまうからです(ちなみに、相続税法という法律はありますが、贈与税法という法律はありません。相続税法の中に贈与税が規定されています)。

 また、贈与には暦年贈与の他に相続時精算課税という制度があります(13.「自社株の承継(その1)」。この制度の下、行われた贈与は先のような3年間に限らず全額が相続税の基礎に算入されますが、その間に納めていた贈与税額は暦年課税と同様に、控除できます。その結果、納めていた贈与税額の方が相続税額より多い時には還付を受けられることになります。

 相続時精算課税は2,500万円までの非課税枠があるものの、一旦その枠を超えれば20%の贈与税がかかっていくので、相続までに納めた贈与税額も多額になることも十分ありえます。

 (なお、以前も少し書きましたが、相続時精算課税を選択するとそれ以後の贈与が全て相続時精算課税対象となり、暦年課税には戻れないので注意が必要です。)

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