9.「青色事業専従者控除と扶養控除の控除部分」

~必要経費と所得控除~ <勝手な感想 豆知識>

青色事業者の方が、生計を一にしているご家族(親族)に専従者として働いてもらって給料を必要経費とするか、扶養親族として扶養控除をするかは控除する部分が違います。

まず、軽く両者の違いから。

例えば親族(同一の生計の親や子供など)に仕事を手伝ってもらって給料を払って事業の経費にしたいときは青色事業専従者の届出をします(以下「専従者給与」とします)。そして届け出の枠内で6ヶ月を超える期間従事して支払えば全額必要経費になります。ところがその代わり、その家族を事業者の扶養としての控除ができなくなってしまいます(扶養控除不可)。

逆に、専従者給与を支払わないでその家族の所得が38万円以内なら、扶養親族として38万円以上の扶養控除ができることになります。

では両者の控除の構造はどのようになっているのでしょうか。

専従者給与の場合は「必要経費になる」ということなので、収入から差し引く経費の一つとして控除がされます。つまり

収入-経費=所得

の構造の下で考えるとお分かりの通り、所得計算の途中に入ってくる控除項目ということになります。

これに対して、扶養控除の場合は「扶養控除」という所得控除項目の一つなので

収入-経費=所得-所得控除=課税所得

の構造の下で考えると、所得が確定した後に出てくる控除項目ということになるのです。

両方とも課税所得を減らす働きをするので、金額が同じなら所得税への影響は同じになりますが、年間の「所得」金額自体が違ってきますし、住民税の計算の時に控除される扶養控除額が所得税とは違っているので、最終的に負担する税金の総額が違ってくる可能性があります。

また、扶養控除の控除額は一定額が決まっていますが、専従者給与は届出の範囲内で労務の対価として適正であれば、支払額全額が必要経費となるので金額を増やしやすいといえます。

…そうすると専従者給与の方が事業経費を多く計上できるので、専従者給与を多くしたいと考えがちですが、事業の成績があまりよくない時には赤字を増やすだけなので専従者給与を増やさない方がよい場合もあります。専従者給与は、もらう立場からすると立派な給料(給与所得)なので、その人の所得税・住民税の課税対象が増える上、国民健康保険の算定をする際に考慮される所得が大きく認定されることになってしまうという影響もあります。

このように、一つの家族の税金全体を減らそうとすると事業の経費にするべきか扶養控除の方にもっていくべきかの総合的な考慮が必要になります。

毎月訪問・毎月アドバイスの溝端会計事務所のように、随時事業内容を把握していて初めてできる節税対策の典型例です。

来年からは有利に事業経営を進めたいと思われる個人事業者の方、ご一報ください!

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