8.「リース契約と消費税・経費」

~リース資産とリース料(その2)~ <○○な話(法人) リース>

前回の続きです。

まず、消費税の関係ですが“ファイナンス・リース取引”とされたものはリース契約全期間にかかっている消費税を、初年度に差し引く(仕入税額控除といいます)ことができます。
つまり毎月21,000円(税込)ずつ5年間(60ヶ月)のリース契約ですと総額1,260,000円のリース料を支払いますが、そのうち60,000円の(仮払)消費税全額が初年度の消費税の計算に入る(控除される)ことになります。

これに対し“オペレーティング・リース取引”とされたものはその年度に支払った(仮払)消費税しか計算に入りませんので、仮に期首からリースが開始されたとしても21,000×12=252,000円のリース料のうち(仮払)消費税12,000円しか仕入税額控除の対象にならないのです。

このように、同じリース取引でも“ファイナンス・リース取引”では実際には将来支払う予定の消費税も含めて控除できるので初年度の消費税を少しでも減らしたい方にとってはメリットといえそうです。車などの資産を購入した場合には、たとえ分割払いであっても購入時に全額消費税が控除されるのと同様と考えると分かりやすいでしょうね。

次に経費の関係です。

まず、“オペレーティング・リース取引”では、毎月のリース料が「リース料」として経費になります。つまり1年分のリース料金額が経費です。

他方、“ファイナンス・リース取引”は「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」とで若干異なります。「所有権移転ファイナンス・リース取引」は固定資産を購入した場合と同様と考えて当該固定資産の減価償却の基準に従って償却します。これに対し、「所有権移転外ファイナンス・リース取引」は残存価額を0とし、リース期間で分割して償却するリース期間定額法という処理の仕方になります。

そうすると、そのリース物件が償却期間の初期に多額の償却費を計上できる定率法を採用していた場合、「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」とで毎年の償却金額に差が出ることになります。前者では初期に比較的多額の償却費を計上でき、後者ではリース期間を通して均等にしか償却費が計上できないことになるからです。

リース契約を目にする機会は多いのですが、そのほとんどが「所有権移転外ファイナンス・リース取引」でした。リースの処理は契約内容によって決まってしまうとはいえ、その後の見通しを立てるためにも早めにご相談いただきたいところです。

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