41.「賞与引当金計上と聞いて」

~会計と税法の思考~ <○○な話(法人) 豆知識>

最近はすっかり中小会計要領に従った処理、決算が普通になってきましたので賞与引当金についても計上することが多くなってきました。


さて「賞与引当金」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?


会計と税法の違い、対象者の把握、金額の計上基準、決算書への表示のイメージ、翌期の支払い月の損益への影響のイメージ、ぐらいが思い浮かべば優秀です。


まず現在、賞与引当金は税法上の損金(経費)には当たりません。つまり賞与引当金を計上して決算書上(会計上)利益が減っても、税金を計算する基礎に再度足し直すことになります。賞与引当金100万円を計上し、決算で利益が0円になっても、税金の基礎は0円+100万円=100万円となり、そこに税率をかけて法人税を計算することになるのです。


従来はこのことを見越して、わざわざ賞与引当金を計上することも少なかったのですが、当期分の正確な損益を出すには、当期分に該当する経費として当期分に計上するのが会計の視点からは正しいのです。


ではいくら賞与引当金を計上すべきでしょうか。その計上基準は法人ごとに異なります。


賞与月の前月までの6ヶ月の利益のおよそ1/3を従業員賞与として支払うという決め方も一例です。そして例えば3月決算の会社で12月と6月に賞与を支払うなら、12月から3月までの4か月分の利益を基準として6月に支払う賞与額を概算で見積もり、そのうち4か月分を賞与引当金として計上する、というようなことをします。


ここで、役員については注意が必要です。


役員についての賞与は法人税法上の損金にしてよい「定期同額給与」に当たりません。ですので事前に時期と金額を税務署に届け出る手続きが必要な「事前確定届出給与」でない限りはこの賞与引当金として計上しないことになります。


それでは期末に40万円の賞与引当金を計上していて、翌期の賞与支払い月に60万円の賞与を支払った場合、損益への影響はどうなるでしょうか。


この場合、前期末の決算で計上した賞与引当金を取り崩す処理をするので、現金は60万円出ていきますが、損益としては60万円-40万円=20万円のみが賞与という経費に計上されることになります。言い方を変えると60万円の賞与のうち、40万円は前期に配分すべき経費であり、のこりの20万円のみが当期に配分すべき経費である、ということが会計上に表現できたことになります。ここの構造を理解しておくと、キャッシュ(お金)が出るタイミングと、経費になるタイミング(金額)をつかめると思います。


引当金関係は、会計と税務、キャッシュアウトのタイミングと経費計上のタイミングのズレが出てくるよい例といえるえでしょう。


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