22.「棚卸資産で利益の上下」

~材料・仕掛・製品在庫等 <○○な話(法人) 在庫>

法人決算で避けては通れない棚卸資産の計上と利益の関係についての確認です。

決算期末にはどのお客様にも在庫(たな卸)を出してもらいます。在庫(たな卸)が増えればそれまで期中に計上してきた利益が増え、在庫(たな卸)が減れば利益が減ります。

「利益が増える、減る」とお客様にはお伝えしますが、本当は正確な利益にするというのが正しい表現です。

さてそれでは、どの在庫(たな卸)と比べて「増える、減る」と言っているのでしょうか。

まず月次(げつじ)決算をして毎月末の在庫(たな卸)を計上している場合には、決算月の前月のその金額との差額をもって、先の在庫(たな卸)が増えた・減ったと表現しています。これに対して月次決算をしていない場合には、前期末の在庫(たな卸)と比べて増えた・減ったという表現をしています。

つまり普段のお客様の在庫(たな卸)の処理の違いによって比べる基準が違うのです。

では、その在庫(たな卸)の増減がなぜ利益の増減に連動するのでしょうか。

たとえば「材料を仕入れて製品に加工し売る」という場合、その売った製品にかかった原価は仕入れた材料代と加工賃となります。そしてその仕入れた材料の一部が期末に残っていたとすると、それらはまだ製品になっていないので、その期に計上した売上に対応する材料代ではない訳です。

そこで、いったん期中に材料代として計上されていた費用は「当期の費用」ではなく、将来(翌期以降)の売上につなげるための「資産」として抜き出して別のところにキープしておく処理が必要になります。これが在庫(たな卸)の計上です。

別のところというのは貸借対照表の資産項目(たな卸資産)になります。

…つまり在庫(たな卸)を計上すると、それまで計上していた費用が減るのです。費用が減れば当然利益は増えます。この理屈を前提に、冒頭で説明した在庫(たな卸)の比較対象とからめると、こうなります。

まず、月次決算をしている場合、前月末の在庫(たな卸)Aを当月の費用にプラスします。前月末に在庫(たな卸)として計上した分は当月以降の費用に変わっているはずなので一旦費用に組み込むのです。次に、当月末(決算日)の在庫(たな卸)Bは来月以降に費用化される予定のものなので、当月の費用からマイナスします。

このとき、A>Bの場合なら差し引きで費用がプラスになり、結果、利益が減ることになります。これとは逆にA<Bの場合であれば費用がマイナスになって、結果、利益が増えることになります。

このA>Bの場合が「在庫(たな卸)が減った場合」として「利益が減ります」と表現し、A<Bの場合が「在庫(たな卸)が増えた場合」として「利益が増えます」と表現しているのです。

これは月次決算をしていない場合でも、比べる対象が前期末の在庫(たな卸)に変わるだけで関係性は同じことです。

文章にする分かりにくいところですが、順を追って考えれば当然の内容です。ゆっくりと考えないと、つい逆に考えてしまいがちなところです。在庫(たな卸)の増減と利益の増減が連動するというイメージで素直にとらえておけばよいかもしれません。

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