17.「保険に入りました」

~逆ハーフタックスプラン~ <毎月監査の話 よくある話>

お客様から、「保険に入りました」と結果報告されることがあります。最近、逆ハーフタックスプランなるものの話をちょくちょく聞きます。

詳しくは省きますが、要するに、保険料の半分を支払保険料(経費)、もう半分を(役員)報酬(経費)に落とし、10年ぐらいで満期返戻金を社長が受け取るというプランです。これによって、会社で保険料の半分を払ってもらい、100%以上の満期返戻金を役員が受け取るということで、すごく得をするかのように思われるようです。

ですが、話はそう単純ではありません。

保険会社の提案するプランの場合、よく検討しないと実質的な損得が分からないものも結構あります。

上記の例のプランでも、何点かチェックポイントがあります。

まず、役員報酬になるので、源泉所得税を納めないといけません。そして満期で受け取るときには一時所得として所得税がかかります。その点を理解していたとしても、その際の所得税率は同じなのか違うのかによっても損得勘定の前提がかわってきます。もちろんその時点の役員報酬他、総合所得の合計額によってどの税率になるのかもかわってきます。この税率・総合所得といった点にどのくらいの方が気付かれているでしょうか。所得税だけではありません、地方税も全て上乗せされてきます。

また、そもそもこの保険のプラン、明文で認められた形ではないので今後規制がかかる可能性があります。規制されないとしても、あまり高額なプランですと税務当局と見解のズレがでるかもしれません。このプランのみでは高額とはいえないまでも、同じ役員のトータルの保険金額が相当高額であれば、その面からの問題が生じる可能性もありそうです。

他にも問題点はあります。役員報酬と扱われる、ということは年払いだった場合、いつ役員報酬に計上すべきか、その源泉所得税はいつ預かり、いつ納めるべきか。法人税の面からは、定期同額給与の規制がかかるので、任期途中からの保険加入の場合、思惑通り損金になるのかどうか。その前提として、保険料についても役員報酬とするという株主総会の決議があったのかどうか。途中で保険料の増額や減額をした場合、扱いが変わらないのかどうか。。。

このように、税法をトータルで考えるとチェックポイントが多く、一つのポイントをクリアしてもその解決が他のポイントに連動して影響したりするのでなかなか厄介なのです。

保険については、単純な仕組みで単純に理解できるものが一番安心安全な気がします。技巧的に考えた結果、わずかに得をするというような場合、可能性としては損をする可能性の方が実質的に大きくなるのではないかと思うのです。もちろん、やはり得した!ということもあるのですが。。。

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