16.「現物給与」

~給与と認定される?~ <毎月監査の話 所得税>

給料、としてもらっていないものでも、給与認定されることがあります。

会社(事業主)としては、給料を支払ったのと同様ということで、源泉所得税を預かったうえで納める必要があるのですが、税務調査で認定された段階ではすでに納付漏れがあったことになってしまいます。

では給与認定されるものにはどのようなものがあるのでしょうか。

まずは、通勤手当の限度額を超えた部分です。

給与に加算して支給する通勤手当は一定限度まで非課税となっています。交通機関を利用しての通勤ですと、最も経済的かつ合理的なルートでの通勤手当部分が非課税です。マイカーや自転車での通勤の場合には距離に応じた非課税限度が決められています。いずれにしろ、月10万円が限度です。この非課税限度額を超えて支払っていた場合には、その超えた部分が給与として源泉所得税の対象になってきます。

従業員さんがたくさんいて、昔から決まった通勤手当を一律に支払っている、などという場合には、この課税漏れが生じていることも少なくありません。複数の従業員さんについて3年分さかのぼって課税、ということになると結構まとまった税額になります。しばらく見直していないという会社さんは、是非一度ご確認することをお勧めします。

また、よくあるのが、国内出張費です。通常認められる範囲、とされている国内出張、いわゆる旅費交通費は、所得税がかかりませんが、常識をこえた出張費などは給与として源泉所得税の対象になります。会社としては、出張費の規定を定めておくべきでしょう。

残業食を出した場合、もよく問題になります。

確かに、その従業員さんにとっては食費が浮く、という面があるので経済的な利益を受けており、実質給与ダとも思えますが、残業という勤務に伴い支給する食事として非課税とされています。

では、こういった残業食やお昼代を会社で負担した、という場合はどうでしょう。

この場合も、勤務に伴った食事の費用なので、全額非課税でいけそうな気もします。

ですが、非課税になるためには一定の要件があります。 ① 従業員等が食事の価額の1/2以上を負担していること ② 会社負担額である金額を一か月当たり3,500円(税抜)以下であること、 という要件に当てはまるときのみ非課税とされているのです。

他にも、忘年会やレクレーション費用といったものは、原則非課税です。もちろん常識の範囲内でないといけませんが。慰安旅行などは、 ① 4泊5日以内(国内旅行) ② 参加人数が全体の50%以上であること、 という要件を満たして、かつ社会通念上相当な金額であれば非課税ということになっています。

このように、名前が給料・賃金となっていないものであっても給料(給与)だと認定されることがあるのです。

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