4.「新入社員とマルフの記載」

~給与所得者の扶養控除等(異同)申告書~ <毎月監査の話 よくある話>

新入社員の方が入られたらマルフを書いてもらってくださいね、とお伝えすることがあります。マルフとは「給与所得者の扶養控除等(異同)申告書」のことです。年末調整の時に、従業員の皆さんに書いてもらって会社に提出してもらう書類です。

このマルフをもらっていない場合、会社が給与から差し引く源泉所得税は税率の高い乙欄(源泉徴収税額表)というレベルの金額を使わないといけないことになっています。

その従業員さんがその会社でしか働いていないのなら、マルフを書いていただいて給与からの控除は通常の甲欄というレベルの金額を使って計算してもらうことになります。

さて、税務調査ではこのマルフをチェックされることがよくあります。
マルフがないのに甲欄で税額計算をしていないかどうかがチェックされます。
また、架空人件費がないかもチェックされます。

もし、マルフのない従業員さんからの所得税計算が甲欄でなされていたら、高い乙欄で計算した税額との差額を会社が支払うよう指導されます。その段階でその従業員さんが辞めてしまっていたら、事実上差額をご本人に請求できないため最終的には会社の負担になってしまいます。何十人も従業員さんがいてその入れ替わりが激しいような会社の場合、3年分ぐらいさかのぼって差額を計算されると結構まとまった金額になります。

また、マルフには従業員さんの住所が載っています。

通勤手当を一律に支給していたような場合、会社から2キロメートル未満の通勤手当は全額給与として課税対象になるので、対象者すべてが課税漏れになってしまいます。
会社の住所に近い住所をピックアップすれば簡単に判明してしまいます。

これらの“漏れ”は解釈の疑義があるというようなものではなく、客観的事実関係から明確に認定できることなので確実に追徴課税されるのです。

たかがマルフだと思っていると、思ったより高い金額の追徴税を課されることになりかねません。日々の本業で手一杯だからと放置せずに、きちっとマルフをもらっておいていただきたいと思います。

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