3.「会計事務所の頭の中」

~一枚の領収書から~ <毎月監査の話 よくある話>

例えば飲食店の「上様」宛ての領収書が出てきたとき、我々会計事務所職員はこんなことを思っています。

まず、誰が(誰と)飲食したのだろう?と考えます。また、本当に会社が受け取った領収書なのか、他からもらってきた領収書なのか疑問をもちます。そして「上様」の記載だと消費税の仕入税額控除の要件を充たしていないので、消費税の修正を指摘される可能性を考えます。

次に日付や内容を見て(レシートの場合)、例えば日曜日に会社とは離れた社長のご自宅近くのファミレスで3名(お子様ランチ1つ)とあったら、社長個人の飲食では?と疑われそうだと考えます。飲食の領収書のみならず、物品の領収書でも会社と離れた社長のご自宅近くの○ニ○ロで衣料品を購入していれば、会社の経費になるものなのか個人的な買い物なのかを問われるかも、と考えます。

さらに、内容的に社内のイベントなら(福利)厚生費、得意先様との飲食なら(接待)交際費か、、、と考えて(接待)交際費なら今期の総額を確認します(中小企業は総額600万円迄なら90%が損金ですが、それを超えると損金にならないのです)。

そうしてもし、飲食の実態からして社長の役員報酬と認定されれば損金不算入(税法上の経費にならない)となり、上記の消費税の修正に加えて、法人税の修正と地方税(法人府県民税、事業税、地方法人特別税、法人市民税)の修正、役員報酬と認定された結果の源泉所得税漏れ、各種税目の延滞税、同様の領収書が3年分あるとした総額の金額…等々を想像し社長に伝えるべき内容をお伝えします。

これらのような内容を毎回全てご説明する訳ではないので「飲食の領収書には上様ではなく、会社名を書いてもらってくださいね」とお願いするのですが、いくら強くお願いしても「実際の現場ではなかなか書いてもらえないのですよ…」といわれることも多いです。
領収書に会社名を書いてもらいやすいように、事前に「 ○○株式会社 で領収書をお願いします。」と記入したカードを準備しておいてそれをレジで提示するようにするとスムーズに精算ができますし、正確な会社名で書いてもらえるのでオススメです。

一回一回の金額は大したことがなくても、その一枚の領収書が多くの税目に関わりそれが複数年にわたって認定されるとまとまった追徴税額になることがあります。その辺りの認識も頭の片隅においておいていただければと思います。。。

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